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“日韓トンネル”(2)「いつの間にか旧統一教会が…」 九大元総長が語る事業の背景 

暮らし

2022/08/09 21:00

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宗教法人「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)とつながりがあるといわれる「九州~プサンを結ぶ日韓トンネル」についての続報です。

その実態とは。

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佐賀県唐津市内の山中にそびえる日韓トンネル。

調査用に掘られたという穴の長さは540メートルに及びます。

佐賀県から長崎県の対馬などを通って韓国まで約230キロを結ぶという壮大な構想です。

旧統一教会とつながりのある「国際ハイウェイ財団」が建設しているとされる”日韓トンネル”。

今回、TNCでは新たに長崎県壱岐市にあるトンネルの工事現場を取材しました。

唐津と対馬のほぼ中間に位置する壱岐。

トンネルの計画では島の東側に位置する「馬の瀬」地区に作業用のトンネルなどを建設するとしています。

財団のHPによると、2021年7月、現場事務所が設置されたとありますが…

◆タクシー運転手
「ちょうどこの先、左側が馬の瀬地区です」

見えてきたのは現場事務所とみられる1棟のプレハブ小屋。

海岸からすぐ近くの場所にあり、道路の入り口にはチェーンがかけられていました。

この現場では、壱岐と対馬の間で湧き出る水を回収するため作業用トンネルを海底の下、約330メートルまで掘り進めると言います。

日韓トンネルの工事ついて地元の人は…

◆地元の人
「工事をしよる風じゃないですもんね。(構想を聞いたのは)何十年も前ですよ。日韓トンネルができるか、できんかといったら。(最近は)全然、話を聞かんですね。日韓トンネルの”に”の字も…」

日韓トンネル、壱岐の現場。

土地の元所有者の親族が取材に応じました。

◆元土地所有者の親族
Q.(土地の一部は)元々はお父さんが所有?
「そう、親父の土地。ホテル作るけん言うて、売ったちゃもんね』

親族によると、父親が所有していた土地は、バブル期に浮上したホテル進出計画にともないA社に売却され、その後、1999年に父親が死去。

経緯は不明ですが、売却先のA社に土地の名義が変更されず、父親名義のまま長い年月が経過していたと言います。

A社は、日韓トンネルに関係しているとされる会社。

5年ほど前に話が急展開しました。

◆元土地所有者の親族
「(土地の)名義変更をさせてくれと言うて来たけん、何で今頃言うて来るとかって。固定資産税は払わないかんやったけんね。ビール持って来たり、何やかんや、いっぱい持ってきたよ」

交渉には、売却したA社ではなく国際ハイウェイ財団の関係者が訪れて、すぐに名義を変更するよう促されたと言います。

◆元土地所有者の親族
「俺んとこ来たのはハイウェイなんとか。何をするの?と言うたら、そこにトンネル掘るけんて。関連団体って分かるわけないもん、その頃は。旧統一教会とは最初は関係なかったとやけん』

ホテル進出を理由に売却された土地。

いまは、国際ハイウェイ財団へと所有権が移っていました。

2021年、事務所が建てられ、その後、目立った動きはないと言います。

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2015年、福岡で設立された「日韓トンネル実現九州連絡協議会」。

この会には政治家や大学の研究者経済界の関係者などが参加しています。

トンネルの工事自体は進んでいないように見えますが、日韓トンネル実現九州連絡協議会の冊子を見ると、2022年6月にも総会が開かれていて、そこではトンネル実現に向けた意見交換や実現後の経済効果が話し合われ、原田義昭前衆院議員もこの総会に参加していました。

さらに総会以外にも年に数回、会合が開かれていると言います。

協議会は日韓トンネルと旧統一教会の関係を把握しているのか。

協議会の会長で九州大学の元総長梶山氏が番組のインタビューに応じました。

◆日韓トンネル実現九州連絡協議会 梶山千里会長
Q.この事業に統一教会が関わっているのは?
「知っていた。やっぱり技術屋は技術屋として何か物ができる証を知りたい。経済界は金になるという、そういう各々が実現したいという気持ちがあって、そういう中でいつの間にか統一教会という話があって、話が複雑に」

Q.統一教会の狙いは?
「やっぱり寄付。『日韓トンネルを実現するから寄付をしてくれ』と。彼らは金を集めればいい。旧統一教会が本気になって掘るわけではない。特に掘ったからと言って、釜山だったら船の方が早い。(日韓トンネルは)ほとんど意味がないという人もいるし、だけど僕ら技術屋としてはそれができるのは一つのシンボル」

梶山氏は前代未聞の海底トンネルを実現したいという言葉を何度も繰り返しました。

◆日韓トンネル実現九州連絡協議会 梶山千里会長
「我々が言う日韓トンネルと、旧統一教会が言う日韓トンネルは意味が全然違う。統一教会は金を集めたいだけ、僕らは技術で(韓国と)仲良くしたいだけ」

Q.この会としては旧統一教会からの支援は受けていない?
「そこは知らない。僕ら自身は1円も支援は受けていない。会があっても交通費も出ない。自分で出していく」

Q.(九大元総長の)肩書きが旧統一教会に利用されているのではないか?
「それはあるかもしれない」

Q.それはどう思うか?
「いやですよ、そんなことは。嫌だけどあり得ると思う。皆無ではない」

旧統一教会の思惑とはー。

長いトンネルを抜けた先には一体、何があるのでしょうか。

(TNC「福岡NEWSファイルCUBE」8月6日放送より ※VTRは上記原稿の一部)

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