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どうなる混戦パ・リーグ 2週連続「ソフトバンクVSオリックス」それぞれの思惑

ホークス

2021/08/27 15:00

 プロ野球はまもなく各球団が100試合を消化する。上位4チームが4ゲーム差以内にひしめく大混戦となっているパ・リーグで、逆転でのリーグ連覇を目指すソフトバンクは27日から首位オリックスとの敵地3連戦に臨む。現在4位でオリックスと4ゲーム差。後半戦スタートから広がったり縮まったりしたゲーム差は、結局前半戦終了時と同じ4のまま後半戦最初の直接対決を迎えることになった。

 両チームの後半戦の成績はオリックスが5勝3敗1分け、ソフトバンクが5勝3敗2分け。試合数は少ないが後半戦に限れば同率の首位タイだ。ソフトバンクは最初の4試合で3勝1分けと好スタートを切るも3、4位の直接対決だった20日からのロッテ3連戦で負け越し、24日からの西武戦も1勝1敗1分けで勝ち越せなかった。一方のオリックスは24日から2位楽天との3連戦で1敗1分け(1試合中止)。混戦を抜け出すには至らなかった。

 オリックスとソフトバンクの今季対戦成績はソフトバンクの8勝6敗。ソフトバンクが勝ち越してはいるが、今回はオリックスがこれまで見せてこなかった”本気度”がうかがえる。すでに2桁勝利を挙げ勝利数、防御率でリーグ 1、2位を誇る山本、宮城の両先発をいずれもぶつけてくるだけではなく、1、2戦目に続けて投入してくることが濃厚だ。2人がソフトバンクとの同一カード3連戦で投げたことは7月に一度だけあったがこの時は1、3戦目。五輪明けは雨天中止が2試合あったが山本、宮城は予定通りとみられ、今カード最初の2試合で一気に勝ち越したいとの思惑が見え隠れする。

 12球団で最も長くペナントから遠ざかっているオリックスが25年ぶりの優勝を成し遂げる上で、ソフトバンクは乗り越えなければならない壁といえる。昨年まで7年連続で負け越している上、両者が最後まで競り合った2014年はソフトバンクが自身のシーズン最終戦で直接対決を制して優勝を決めた。同年からソフトバンクは4度のリーグ優勝と6度の日本一。一方のオリックスは15年以降すべてBクラスで最下位が3度と再び低迷期に入り、14年の激闘を知るメンバーもTー岡田らわずかになってしまった。

 オリックスの中嶋監督は今季スタートからソフトバンクをターゲットに定めていた。開幕2カード目に訪れた最初の直接対決でエースで開幕投手の山本を中5日で投入。「先に勝っておけるなら勝っておいた方がいい」(中嶋監督)との思惑に応え山本は13奪三振で2安打完封と強烈なインパクトを与えて前年王者をねじ伏せた。この時の3連戦で勝ち越したオリックスは、その後一時は黒星がかさんだものの、宮城という山本に続く先発2本目の大きな柱ができたこと、吉田正頼みだった打線にも杉本らの柱ができたことでじわじわと浮上していった。

 今回の直接対決へ向けてはソフトバンクも動いた。17日火曜の楽天戦が雨天中止になると、先発予定だったチーム勝ち頭のマルティネスをスライドではなく金曜日へ動かした。これにより、今回のオリックス3連戦の初戦にぶつけることが可能となった。日本ハムから移籍した今季、オリックス戦は3戦3勝で防御率0.47。打線の状態が不安定な中で山本と渡り合うには十分すぎる内容だ。後半戦2試合で防御率1.98と復調した石川が2戦目、さらに3戦目の先発が有力な和田は今季4勝ながら2勝がオリックス戦で対戦防御率1.65と相性は悪くない。

 オリックスとは来週末も本拠地に舞台を移しての3連戦が組まれている。先発3枚も同じ顔ぶれが予想され、両軍ベンチにとってはさまざまな思惑を抱えての6試合となる。たとえ今週末が3連敗でも立て直す猶予のあるオリックスに比べ、ソフトバンクは最低でも勝ち越しておかないと逆転Vはかなり厳しくなる。2週連続の激突が終われば、次の直接対決は10月1~3日。そのとき両チーム、さらにはパ・リーグの状況がどうなっているか、ペナントレースの行方を占う上でも前年王者と今季首位チームがぶつかる今回の6試合は大きな意味を持つことになりそうだ。

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